人民新報
 ・ 第1456統合549号(2026年4月15日)

                  目次


● トランプの侵略戦争を支持する高市政権

         改憲策動・軍事同盟強化を許すな!

● マーチインマーチ

         差別や排外主義に反対し、外国人労働者の権利を守ろう

● 高市改憲阻止の署名運動を広げよう

     ―私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します― 憲法9条改悪に反対する請願署名 ―
         戦争準備の憲法9条改悪・緊急事態条項を導入する改憲反対!
         衆参の憲法審査会に改憲案の起草委員会を設置するな!

● 子どもたちに忍び寄る自衛隊と戦争

● 26春闘

         郵政ユニオン・スト貫徹

● 国家情報局、スパイ防止法に反対する闘いを進めよう

● 今月のコラム

        野に遺賢あり - 高草木満寿子(たかくさぎますこ)著「自立とボランティア」を読む-

● せんりゅう

● 複眼単眼  /  戦火のもとにあるUAEからのメール






トランプの侵略戦争を支持する高市政権

        改憲策動・軍事同盟強化を許すな!

長期泥沼化するイラン戦争

 トランプとネタニヤフのイランへの国際法を無視した背信的攻撃は、世界に衝撃をもたらした。濃縮ウラン放棄などイランの核能力の完全阻止、イランのミサイル能力・防衛産業の破壊、イラン民衆の反イスラム体制蜂起などを全停止した体制転換(レジームチェンジ)を目標とした米・イスラエルに対して、イラン側は、ホルムズ海峡の支配権は譲らない、核開発の「完全放棄」の拒否と徹底抗戦路線を堅持して、湾岸諸国の米軍基地・石油関連施設などへの反撃とりわけホルムズ海峡の実質的閉鎖を継続している。この事態は、トランプ・ネタニヤフの早期のイラン屈服という甘い願望を打ち砕き、米国を含む世界的インフレをもたらした。おいつめられたトランプは、イラン文明の破壊攻撃をくちばしるとともに、いっぽうで妥協の姿勢をしめしはじめた。だがパキスタンを仲介者とする米国・イランの交渉も決裂の可能性を強め、トランプは対イラン攻撃のエスカレーションをいいだしている。「ホルムズ海峡を出入りする全ての船舶の封鎖を開始する」と宣言し、ホルムズ海峡を再開通させなければ史上最高の弾薬と武器を軍艦に積み込んでいる」「48時間以内にすべての地獄の扉が開かれる」と最後通告を突きつけた。米国がイランでの地上作戦(グランド・オペレーション)の準備を進め、核施設の掌握、ホルムズ海峡内のハルグ島の占領、濃縮ウランの押収などを目標に、戦争の規模と目的が拡大させていることを示した。
 そもそも、トランプには交渉への真剣さが欠如している。トランプのアプローチは「戦略というよりも衝動的な即興」であり、「脅しと方針転換、威嚇と突然の対話の提案が混在する不安定なサイクル」に陥っているとの指摘がひろがっているが、このような不安定さは、同盟国を混乱させ、敵対国を説得できないため、結果として戦争のリスクを高めることになっている。トランプによって米国の威信は決定的に傷つけられ回復するのはむつかしい。政権支持率は急落し、トランプの岩盤支持層からの批判もではじめた。5月中旬に予定されているトランプの訪中と米中首脳会談での米国側の弱みとなり、7月の米建国250周年記念祭にも暗い影をおとし、何より11月の米中間選挙での共和党の敗北も予想されるようになってきた。トランプは、ホルムズ海峡の軍事的開放など軍事攻撃を強めようとしているが、そのために必要なのは同盟国・同志国への負担の転嫁である。

高市政権は対米軍事協力へ

 高市にとっての最大の外交課題は、トランプにすり寄ることである。すでに、大型対米投資の実行、防衛費増額・装備移転の拡大、情報機関創設など制度改革、戦略3文書の前倒し改定などの政策を行ってきているが、日本側からの強い要請での高市首相の訪米・日米首脳会談で一段と強化しようとした。もともとの高市の狙いは、トランプ訪中・米中首脳会談での日本の頭越し外交阻止が目的だったが、トランプとネタニヤフのイランへの騙し討ち奇襲攻撃とその後のイランの大規模な反撃・原油やLNG価格の高騰と世界経済への打撃は、トランプの安易な勝利幻想を打ち破ることになり、トランプは「交戦中にホワイトハウスを空けるのは良くない」として訪中延期を宣言した。その結果、日米首脳会談の議題は大幅変更となった。
 日米首脳会談の主要問題は、トランプからのイラン戦争への日本の支援要求についてだった。トランプ・高市会談の内容の詳細は公表されていないが、米側からの対日軍事協力・参戦であったことは、トランプの会談後のSNSでの「日本は助けてくれなかった」などのつぶやきからもわかる。4月7日には、NATO、韓国やオーストラリアなどとともに「他に誰が助けてくれなかったか?日本だ」と述べたが、日米首脳会談では高市総理大臣との会談の際、「日本は十分に取り組んでいると思う」と発言していた。今後、軍事面を含めて対日要求は強まるのは必至だ。

高市改憲「時は来ました」?

 日米首脳会談で日本がイラン派兵を断った理由について「自衛隊派遣ができない理由としての憲法上の制約」があるといったと本人・政府も認めている。
 なんと高市は、改憲の焦点としている憲法9条を軍事的要求をかわすための外交カードとして機能させたのである。
 しかし、高市は、集団的自衛権の全面行使、自衛隊の海外派兵の障碍として、憲法9条を位置づけ、その改悪を日米首脳会談直後から加速させている。
 高市は、自民党が衆院で単独3分の2超を獲得した歴史的状況をにらみながら、「9条への自衛隊明記」を中心に、4項目改憲を一気に条文化する段階へ移行していると判断し、与党は「条文起草委員会」設置を要求し、国会内のプロセスを「議論」から「起草」へ一気に進めようとしている。国会での改憲発議には、参議院で3分の2に届かない状況を他党との合意形成を進めようとしている。自民、維新与党だけでなく、国民民主、参政党、日本保守党、チームみらいなども改憲派であり、立憲民主も憲法改正について動揺している。
 4月12日、第93回自民党大会が開かれた。
 高市は、「わが党に求められているのは、『強い経済』の構築と、『強い外交・安全保障』の推進」と述べた上で、憲法について次のように述べた―立党から70年。時は来ました。「憲法改正」に向け、党員・党友の皆様の総力を挙げて、全国各地で国民の皆様への憲法に関する説明を行うとともに、国会においては、「結論のための議論」を進めてまいりましょう。そして、改正の発議について、「なんとか目途が立った」と言える状態で、皆様とともに、来年の党大会を迎えたいと考えています。「幅広い世代」と「多様な経験」と「豊かな専門知識」を持った人材を擁するわが党の強みを、「憲法改正」にも向けて結集していきましょう。もちろんさまざまな政策でみんなの専門知識が、今、もうフル全開、もうすごい状態になっていますけれども、この憲法改正、とっても大切。私たちの党是、何とか進めましょう。―
 改正の発議の時期について、来年の党大会までに「なんとか目途が立った」と言える状態をつくると改憲の急加速化を断言した。
 急速な改憲の動きに抗して、4月1日、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合・改憲問題対策法律家6団体連絡会・9条改憲NO!全国市民アクション・九条の会・憲法9条壊すな!実行委員会・憲法を守りいかす共同センター、は参議院議員会館で記者会見を開き「私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します─憲法9条改悪に反対する請願署名─」を始めると発表した。

急速に広がる反高市の波

 高市政権の改憲と戦争の道に反対する運動は、各地に広がり、危機感を持つあらたな参加者をくわえ日に日に拡大していくこととなった。総選挙のわずか2日後の2月10日、「高市政権の改憲と戦争の道に反対する官邸前緊急行動」以後、「このままでは戦争が始まってしまう」という危機感が、世代や主義・趣味の垣根を超えて共有された特徴をもっているといえよう。その後、運動参加者は増大しつづけている。主なものをあげるなら東京では、2・19国会議員会館前行動に1000人、2・22市民と野党の共同アクション「信じられる未来へ 希望の新しい選択肢」に1000人、3・19国会議員会館前行動に1万1000人、3・25「平和憲法を守るための緊急アクション」米国・イスラエルによるイラン攻撃に抗議する自衛隊をホルムズ海峡に派遣するなには、2万4000人、⑤市民と野党の共同アクション4・5ペンライト集会」(池袋駅前)に6000人、⑥4月8日「平和憲法を守るための緊急アクション」に3万人が参加している。これは全国47都道府県170か所での同時行動になった。
 全国各地での行動でも同様に参加者は急増している。また、それらの行動には、さらに多くのオンライン参加者がいるのも特徴的だ。

 トランプ・ネタニヤフの無謀なイラン侵略戦争の拡大に加担し「戦争する国」づくりが進むなかで、多くの市民が政治に関心を寄せる条件が熟しつつある。戦争ではなく、平和と生活防衛のために闘いを前進させよう。市民と立憲野党の共闘を強化し、なにより大衆運動段階で反戦平和改憲阻止運動のおおきなうねりをつくりだし、総がかりの運動を強め・拡大し、高市政権を打倒し、自民党政治の息の根を止めよう。


マーチインマーチ

         差別や排外主義に反対し、外国人労働者の権利を守ろう

 3月15日、移住労働者の生活と権利のための春闘行動「マーチインマーチ2026」(全統一労働組合、全国一般労働組合東京南部、神奈川シティユニオン、東京労働安全衛生センター、26けんり春闘実行委員会などによる実行委員会主催)は、上野公園・上野水上音楽堂横から御徒町公園へのデモ行進として行われた。 
 「マーチインマーチ」は、1993年3月に生活と権利のための外国人労働者一日行動として始まった。
 とくに今年は、外国人労働者をターゲットにしたヘイトの広がりに危機感を感じる移住労働者をはじめ、日本の労働組合や市民団体などから昨年を上回る350人が参加し、差別や排外主義に反対し、共生社会の実現をアピールした。


高市改憲阻止の署名運動を広げよう

        戦争準備の憲法9条改悪・緊急事態条項を導入する改憲反対!
        衆参の憲法審査会に改憲案の起草委員会を設置するな!

  高市政権は、「憲法改正に挑戦する」と明言し、政権の最重要課題の一つとして位置づけて、憲法改悪策動を強引に押し進めている。3月の日米首脳会談でも示されたように憲法が集団的自衛権全面行使・海外派兵の障害になっている。 米国から帰国した高市は、憲法9条改悪をいちだんと加速させている。
 自民、維新は昨年10月に交わした連立政権合意書で「条文起草委員会」の設置を明記し、昨年の臨時国会でも設置を求めたが、当時は少数与党のため実現出来なかった。
 だが、高市の党利党略のため突然に行われた2月衆院選で自民党が大勝し、単独で3分の2超を確保した。これを改憲の好機と思い込んだ高市は、改憲発議が現実的な段階に入ったとして、起草委設置にむけて具体的な条文作成作業に入る構えを見せている。
 4月9日、今国会初の衆院憲法審査会が開かれた。審査会の委員数は議員数に応じ、各党に配分され、全委員50人中、自民34人、維新4人となり与党で8割近くになる。昨年は立憲民主党が握っていた審査会長のポストに、古屋圭司氏を指名。改憲議論に向けた体制を整えた。古屋圭司は、防衛力強化や外交政策において保守的な主張を行い高市を支える強硬な極右であり、「日華議員懇談 会」会長として反中国姿勢が濃厚だ。
 与党だけでなく、国民民主党、参政党、チーム未来、日本保守党なども改憲積極派だ。
 立民、公明両党の衆院議員を中心に結党された中道改革連合は、立民は改憲に対して慎重姿勢が強かったが、与党だった公明は「加憲」を掲げていた。
 改憲に明確に反対姿勢を示したのは共産党(1名)だけだった。
 憲法審は国会の他の委員会と異なり、故中山太郎氏が提唱した与野党の幅広い合意を目指すいわゆる「中山方式」をとってきたが、「数の力」で押し切ろうとする可能性が高い。

 改憲強行の危険性が一気に高まっている。いま、いっそう幅広い反改憲戦線の構築が求められている。
 これまで改憲反対の運動を中心的に担ってきた安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合・改憲問題対策法律家6団体連絡会・9条改憲NO!全国市民アクション・九条の会・憲法9条壊すな!実行委員会・憲法を守りいかす共同センターは、4月1日に参議院議員会館で記者会見を開き、①戦争準備の憲法9条改悪と、緊急事態条項を導入する改憲をやめること、② 衆参の憲法審査会に改憲案の起草委員会を設置しないこと、をもとめる「私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します─憲法9条改悪に反対する請願署名─」を始めると発表し、全国にアピールした。
 請願署名運動に取り組み、反改憲の世論と運動をつくりだそう。改憲阻止・高市政権の戦争と生活破壊に反対する行動をさらに拡大していこう。

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私たちは戦争につながる憲法改悪に反対します― 憲法9条改悪に反対する請願署名 ―

 世界のあちこちで戦争・紛争が続き、終わりが見えない中、日本でもさらなる火種がまき散らされています。
 高市内閣は、2026年2月の衆議院総選挙で得た「数の力」にたのんで、前のめりに戦争の準備に突きすすんでいます。
防衛費はGDP比約2%とこれまでの2倍になり、そのための増税も進んでいます。沖縄や南西諸島をはじめとして日本全国の自衛隊基地で、ミサイルの配備などの増強が行われています。
 これは、周辺国との緊張をあおり、戦争の危険をむしろ高めるものとして、基地のある地域や周辺国から心配の声があがっています。
 日本も明治以降、戦争ばかりしてきました。第二次世界大戦でアジアの人びとを2000万人以上殺し、日本人を約310万人死なせました。更なる軍備増強は、周辺国に日本の再軍備化への警戒心を植え付けて緊張を高めるだけです。
 私たちは、過去の戦争の反省の上に、戦争を放棄して軍隊を持たないと決めた憲法9条が、今こそ大切だと考えます。
 「唯一の戦争被爆国」である日本は、すべての戦争がなくなるように世界に対して率先して働きかけるべきです。
そのためには憲法9条を堅持して、戦争をなくすための努力をするべきです。しかしいま、政府からは核武装を唱える声が聞こえ、国会では、憲法を変えるための条文起草委員会を憲法審査会に設置する動きが始まっています。
 私たちは、戦争につながる憲法9条への自衛隊明記、そして政府に権力を集中させて、人権保障と権力分立を停止させる緊急事態条項の導入に反対して、以下の項目を要求します。

        1 ・ 戦争準備の憲法9条改悪と、緊急事態条項を導入する改憲をやめること

        2 ・ 衆参の憲法審査会に改憲案の起草委員会を設置しないこと


子どもたちに忍び寄る自衛隊と戦争

 テレビをつけるとアメリカ・イスラエルによるイラン爆撃、ロシアのウクライナ侵略と戦争の惨劇が連日映し出されています。学校では平和と命が何よりも大切だと教えられている子どもたちの目にはどのように映り、何を思うのでしょうか。力の強いものが弱い者に対して容赦なく軍事力を行使している映像は、子供たちの平和への理解に間違った考えを生じさせるのではないかと危惧するところです。

◆「防衛省・自衛隊キッズサイト」とは

 そのような中で、自衛隊の子供たちへの危険な接近が強まっています。防衛省は2006年より毎年、子ども向けに「まんがで読む防衛白書」をウエブ(防衛省・自衛隊キッズサイト)上で公開していました。内容の一部を見ると、「弾道ミサイルから日本を守る!」(平成19年)、「日本とアメリカの絆を作る『日米安全保障条約』の新ガイドラインについて知ろう」(平成27年)、「防衛装備品と防衛装備庁の任務を知ろう」(平成28年)、「宇宙・電磁波・サイバー」(令和元年度)と軍事テーマを定め国防意識をあおる内容になっています。ただ、この時点では、防衛省側に積極的に子供たちへ印刷物を配布する意図はあまり感じられず、ページの最後に「配布を希望される学校、団体等に対しては、無料(送料含む)で1団体につき3部まで送付いたします。」と記されており、広くは知られてはいませんでした。
 しかし、防衛省と子供の関係を大きく変える状況が生まれます。2019年12月に文科省は突如「ギガスクール構想」として全国の小中学校の子供たちに一人一台のタブレットを貸与することを公表しました。当初は5年計画でしたがコロナの流行で前倒しされます。配布されたタブレットは様々なところにアクセスすることができ自衛隊にも繋げられます。そのリンク先は「防衛省・自衛隊キッズサイト」であり、教科書によってはQRコードが掲載されており、より簡単にアクセスすることが可能になっています。サイトを開いてみると、「動く自衛隊図鑑」「自衛隊検定」「自衛隊壁紙・写真」「市ヶ谷ツアー」「陸自飯」「艦めし」「空自空上げ」「疑問に答えます!」「ペーパークラフト」「制服・き章図鑑」「イベント情報」「まるわかり!日本の防衛」など、かっこいいキャラクターを使い十分な判断力が育成されていない子どもたちを自衛隊に引き付け、行く行くは軍事力の更なる増強、戦争を支える人づくりへと駆り立てるのです。

◆子ども版『防衛白書』が配布された

 許されない危険な状況は更に強まりました。昨年、防衛省が作成した戦争の準備ともとれる軍事教育的な冊子を一部の学校に配布したのです。詳細についてはすでに東京新聞や赤旗などで報じられていますので簡単に振り返ってみます。
 東京新聞(9月17日)によると、「…防衛省が全国の小学校に子ども版『防衛白書』を配布していることがわかった。2024年版から始まった取り組みで、同省は『安全保障や自衛隊の理解を深めてもらうため』と説明する。…冊子の配布は各都道府県の教育委員会に相談し、調整できた地域の小学校へ配布したという。これまでに約2400校に約6100冊を配布した。青森、秋田、栃木、長崎の4県に配布済みだが、ほかの県は『公表の了解が得られていない』として明らかにしていない…」。子ども版防衛白書の内容の一部を紹介し「ウクライナはなぜロシアに攻められたのか」との質問に「理由の一つは防衛力が足りなかったと」し、抑止力の重要性を説いています。配布された長崎県の対応として「長崎市教委は各校の職員室と校長室に保管し、子どもには見せない判断をした」と真っ当な対応をしていることを紹介しています。

   ★2023年版 目次

     1 国の防衛はなぜ必要なの?
     2 防衛省・自衛隊は何をしているの?
     3 日本の周りの安全保障環境
       (1)日本周辺の情勢
       (2)中国
       (3)北朝鮮
       (4)ロシア
     4 憲法と自衛隊の関係
     5 日本の防衛と基本政策
     6 新しい戦略と国を守るための予算
     7 日本を防衛するための自衛隊自身の取組
     8 宇宙・サイバー・電磁波領域での挑戦
     9 先端技術を活かした新たな挑戦の時代
     10 日本と地域、そして世界の平和を守るための日米同盟
     11 世界の国々との安全保障協力の推進
     12 大規模災害などへの対処
                 巻末資料

   ★2024年版 目次

     1 なぜ自衛隊は必要なの?
     2 日本の周りで何が起きているの?
     3 日本はどうするの?
       (1)日本が「自分自身を守る力」を強くする
         ①日本を守るために強くする7つの分野
         ②宇宙・サイバー・電磁波への自衛隊の取り組み?
         ③装備品を国内で作り、人材を確保することはなぜ重要なの?
         ④防衛に必要なお金はどのように使われるの?
             ~ちょっと休憩~疑問に答えます①
      (2)アメリカと一緒に「攻撃を思いとどまらせる力」、「攻撃に立ち向かう力」を強くする
      (3)日本と「協力できる仲間」との関係を強くする
     4 大きな災害が起きたときは何をするの?
             ~ちょっと休憩~疑問に答えます②
                   巻末資料

◆防衛省の頭の中はすでに憲法改悪なのか

 子ども版「防衛白書」の正式名称は「まるわかり!日本の防衛~初めての防衛白書~」ですが、詳しい内容が報じられていないので「防衛省・自衛隊キッズサイト」からブリントアウトしてみると驚くことばかりです。子ども版「防衛白書」は2021年より作成されており、配布されたものは2024年版です。2023年版まで内容は大きく変わりはありませんが、2024年版から大きく変わります。「憲法と自衛隊の関係」というページがなくなっています。無くなったページには多少の表現の問題はあるのですが、憲法第9条の一項と二項を掲載し、戦争の放棄、戦力不保持、交戦権を認めない原則を表記しています。憲法を変えたいと願う政権の意思を先取りし、平和へと繋がる憲法を子供たちの目から隠したいのでしょう。

 軍事費だけが膨れ上がり、人を殺す兵器の輸出が現実になろうとしている今日、学校は新年度を迎え様々な物が子どもに配布されます。平和と命を脅かす危険な配布物には教職員、保護者、市民の目で監視する必要があります。


26春闘

        郵政ユニオン・スト貫徹

 郵政産業労働者ユニオン(以下、郵政ユニオン)は26春闘における日本郵政グループの低額回答、ゼロ回答に対する怒りのストライキを決行、3月19日、全国9拠点15職場35名の組合員が決起、貫徹した。
 郵政ユニオンの大幅賃上げ要求に対して、日本郵便について3月13日、定昇無し、ベアなし、一時金3.5月という信じ難い第1次回答を示してきた。組合は賃金交渉を引き続き展開、会社は回答指定日の17日、定期昇給実施、ベア1・9%、更には翌18日に一時金3.85月という再提案をおこなってきた。ゆうちょ銀行、かんぽ生命については17日の時点で定昇実施、ベア1・9%、一時金それぞれ4・4月、4・3月と回答している。3事業間に格差をつけた回答である。いずれにしても低額回答であることに変わりはない。
 会社は郵便物流事業について「このままでは事業の継続そのものが危ぶまれる事態に」「社員一人ひとりが損益意識を持ち収益拡大やコスト削減につながる行動の徹底が重要」と述べ、自らの経営責任を労働者に押し付けている。さらに許されないことに、非正規社員時給引き上げ要求に対して、「10月の最賃改定」があるからとの理由で「ゼロ回答」。
 
 物価高騰が続き、実質賃金はそれを下回り、労働者の困窮は深まっている。とりわけ、非正規社員に対する「ゼロ回答」は今でも強いられているぎりぎりの生活がますます厳しくなっていく。一方、日本郵政グループは7兆円を超える内部留保を抱え込んでいる。株主には厚遇、労働者に薄遇という施策は、許されるものではない。
 また、日本郵便では2017年から2024年の7年間で正社員が約24・000人減、非正規社員は約37,000人減、あわせて6万人以上減らされている。非正規率は日本全体で36・4%(2025年)に対し日本郵便は47.7%(2024年)で大きく上回っている。このような中、現場では人手が足りず、過重労働が強いられ、週休・非番・年休要員を捻出ため、連日の超勤(残業)状態が続く。どこの職場からの「人を増やして欲しい」という声が上がっている。大幅増員要求に対しても会社はまともな回答を出していない。

 この日、全国各地・各局でのストライキ拠点集会、支援集会の行動が展開され、郵政本社前では15の支援団体、60名の参加でストライキ突入集会が開催された。日巻中央本部委員長は集会あいさつで、「民営化以降も『あまねく公平に』を基本に「ユニバーサルサービスを提供してきた。赤字の原因は民営化による3事業の経営がバラバラにされてきたことにある」と批判。また、「正社員、非正規社員が一体となってサービスを提供してきた。労働契約法20条最高裁判決が『不合理な格差であり違法』と判断したにも関わらず、。非正規社員に対する不合理な格差が存在したまま。真の均等待遇実現のため全力で闘う」と決意を述べた。全労協、全労連から支援連帯のあいさつ、東京地本から決意表明がおこなわれ、「3・19ストライキ宣言」が提案、確認された。
 それに先立ち、東京地本では銀座局前でストライキ突入集会が50名の参加でおこなわれた。拠点ストとして銀座支部7名、指名ストとして練馬支部清瀬分会1名の組合員がストに立ち上がった。銀座支部からは「会社は私たちの切実な増員要求にまともに答えようとしない。ストライキを貫徹して最後まで闘う」決意表明がなされ、東京全労協小泉議長、東京地評中村常任幹事、各支部から連帯、激励のアピールがおこなわれ、練馬全労協鈴木議長から檄布が贈呈され、8名の組合員はストライキを貫徹した。
 
 ストライキ決行中の夕方、会社は日本郵便について一時金4・0%とすることを含む正式回答をおこなってきた。郵政ユニオンのストライキを背景にした闘いの成果と言えるが、それでも組合の要求、生活実態、職場実態とは大きくかけ離れている。


国家情報局、スパイ防止法に反対する闘いを進めよう

 4月6日、衆議院第二議員会館前で、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会と共謀罪NO!実行委員会による「秘密法廃止!共謀罪NO!監視社会反対!―国家情報局、スパイ防止法に反対する―」が開かれた。

 議員会館前集会後には、院内集会が開かれ、大江京子弁護士(改憲問題対策法律家6団体連絡会事務局長)が「国家情報会議設置法案を批判する」と題して報告を行った。
 2022年12月の安保3文書改定以後驚くべきスピードで中国との戦争準備が進んでいる。高市政権は、防衛費2%を前倒しし、今年、安保3文書をさらに改定して、国民生活を犠牲にして防衛費を増大し、核の持ち込みや武器輸出の全面解禁を狙っている。どんなに軍事費を増大させ敵国を攻撃する兵器を持ち、軍事基地を日本中に作り、アメリカと共同軍事作戦計画のもとで軍事訓練を繰り返しても、それだけでは、まだ戦争をすることはできない。戦争をするためには、冷静な意見を言う人や事実を伝える報道が邪魔だ。また、自由主義的、民主主義的な団体や、政府に異を唱えたり、戦争に反対するような人間をあぶり出し排除して黙らせる装置が必要だ。
 自民党の2026年衆院選公約は次の様に言っている。国家インテリジェンス機能を抜本的に強化し、国家情報会議設置法(仮称)を早期に成立させ、官邸直属の国家情報局を創設する。対外情報機関を設置し、他国からの不当な介入を阻止するため、外国代理人登録法等の関連法制を整える。そして第二次高市政権の施政方針演説では「(国論を二分する)重要な政策転換を、何としてもやり抜いていけと国民のみなさまから、力強く背中を押してい頂いた」として、情報(諜報)機関の司令塔「国家情報会議」(国家情報局)創設とスパイ関連法制の制定、安保3文書の改定前倒し、武器輸出の5類型撤廃、憲法9条の改憲を強調した。
 高市内閣は、26年度特別国会で内閣情報調査室および内閣情報官を格上げし、「国家情報局」および「国家情報局長」を創設するとしている。それは「国家情報局」および「国家情報局長」を「国家安全保障局」および「国家安全保障局長」と同格とし、現在の「内閣情報会議」を発展的に解消し、「国家情報会議」を設置する法律を制定するという。今年夏には、有識者会議を設置し、スパイ防止関連法制(基本法・外国代理人登録法、ロビー活動公開法等)検討させ、次の臨時国会でも法案を成立させる方針だ。そして27年度末までに独立した「対外情報庁」を創設するとして、情報要員を組織的に養成するため、インテリジェンス・コミュニテイー横断的な情報要員養成機関(スパイ養成機関)を作ろうとしている。
 2026年3月13日閣議決定の「国家情報会議設置法」は、重要情報活動(安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処その他の我が国の重要な国政の運営(「重要国政運営」)に資する情報の収集調査に係る活動)及び外国情報活動への対処(公になっていない情報のうちその漏えいが重要国政運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動(これと一体として行われる不正な活動を含む。))であって、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。)の利益を図る目的で行われるものへの対処をいう。)に関する重要事項を調査審議する機関として、内閣に、国家情報会議(以下「会議」という。)を置く、としている。
 日本の主要インテリジェンス機関は次のようなものだ。内閣官房内閣情報調査室(官邸直属の情報機関)、防衛省情報本部(電波・画像・公刊情報に基づき軍事、安全保障に関する動向を分析)、警察庁警備局(公安課、外事課、国際テロリズム対策課)、道府県警察警備部(東京都は警視庁公安部)、公安調査庁(経済安全保障に関する情報、サイバー攻撃、国際テロ、朝鮮民主主義人民共和国・中国・ロシア等、国内諸団体の諸動向に関する情報の収集分析い、得られた情報を政府関係機関に提供)、自衛隊情報保全隊(防衛大臣直轄の部隊 部隊の情報保全業務のための情報の収集整理提供を任務)。
 戦前、戦中には、治安維持法、軍機保護法、要塞地帯法など数多くの治安立法と特別高等警察や憲兵などの治安維持機関、隣組等の民間組織により、国民市民は監視され、言論が封じられて無謀な帝国主義戦争を遂行し、自国民310万人、アジアの人々を中心に外国人2000万人以上が犠牲となったということを忘れてはならない。スパイ防止法も、最初は市民の思想自体を取り締まる建て付けではなくても、やがて政府の恣意的な拡大解釈・適用により、市民の「思想」「自由」が制限されて、ファシズムや戦争に反対する自由主義的運動も不可能になることを、歴史は教えている。
 スパイ防止法、国家情報会議は不要である。まず諸外国並みの人権保障規定を整備し、インテリジェンス機関の犯罪や人権侵害を防止規制することが先決だ。 日本には国家機密保護法制が存在する。ただし、いずれも欧米並み(国際標準)の人権保障規定を欠く欠陥法制である。この上、あらたにスパイ防止法を制定する必要性(立法事実)はない。欧米並みというなら、日本も、人権保障規定を欧米並みに整備することが、何より先決のはずである。 また、日本のインテリジェンス機関が違法(犯罪的)に個人情報を取得し、市民の人権侵害を恒常的に行っている実態こそが問題である。警察その他の情報機関の違法な情報収集活動を禁止し厳格な規制を設けること、第三者機関による監視制度を設けることこそが必要である。
 憲法の保障する自由と人権、中でも個人の尊厳の核心である思想・信条の自由を脅かし、民主制の基盤である表現の自由、報道の自由、国民の知る権利を侵害し、平和主義を破壊して日本を戦争できる国にするスパイ防止法の制定を、絶対に阻止しなければならない。


今月のコラム

野に遺賢あり

        - 高草木満寿子(たかくさぎますこ)著「自立とボランティア」を読む-

 著者は2025年5月に95歳で他界した。遺稿集編集委員会の手で生前の書き物がまとめられこの1冊になった。編集委員のおひとりである長男光一氏は慶応義塾大学名誉教授、私と高校の同窓で、私の高校時代の恩師の評伝「書かれざる戦後思想―元学徒兵・亀島貞夫の躓きと希望」を上梓、ご恵投頂き礼状を送ったのがきっかけで「松田道雄と『いのち』の社会主義」「鶴見俊輔 混沌の哲学」のご著書を送ってくださった。どれも対象に肉薄した重厚な評伝だった。本書もやはり光一氏から贈呈されたもの。経緯は別にして一読してこのコラムで取り上げたいと思った。
 タイトルはたまたま“X”で森まゆみの投稿を目にし、そこから借りた。森は、なんと緒方貞子と高市早苗、中村哲と安倍晋三を並べて「日本人ここにあり」のリーダーとする山尾志桜里のトンデモ投稿を引用して書いている、「山尾氏は世界で活躍して有名になることだけが素晴らしいリーダーだと勘違いしている。日本の各地に、隣人を助け、地域を住みやすくしているステキな人たちがいるのに。彼らは時に世界中の地域とつながって助け合っている。中国ではそれを陸沈といい、私はそういう人々を『野に遺賢あり』に書いた」と。著者を評するにぴったりのことばだと思う。

著者のプロフィール
 著者は1930年群馬県渋川町(現渋川市)に生まれる。1949年県立渋川女子高校を卒業、町立幼稚園に助教諭として勤務、退職後の1955年結婚、以後専業主婦として過ごす。1965年前橋市主催の「婦人解放」をテーマとする婦人教室に応募、婦人教室終了後もメンバーで「未明会」という自主グループを作り学習活動を継続。1978年前橋市教育委員会主催「婦人ボランティア養成講座」に応募、終了後「ボランティア活動を通しての社会参加、そして自己の成長」を掲げ、賛同する仲間たちとボランティアグループ「さざなみ会」を結成。1979年高齢者問題について長野県伊奈市の楽生学園に小林文成氏を訪ね、1984年にはヨーロッパ社会福祉研修旅行に出かけ、フランクフルトの「子どもを対象とする電話相談」のボランティアグループと交流する。1987年公民館に働きかけて「カウンセリング講座」を開催。以後、群馬県すこやか家庭教育相談事業の「よい子のダイヤル」相談員、前橋市老人問題電話相談センターの相談員を務める。晩年、県の委託を受けた「認知症の人と家族の会」の電話相談員となり90歳まで続ける。地元で労力貯蓄型の「助け合いの会」を作ることに尽力、1995年に結成された「前橋・在宅ケアネットワークの会」にボランティアとして参加、2000年にNPO法人となった同会の副理事長に就任。公民館で住民参加型の館報づくりに参画、編集長を務める。「私の戦争体験」(第一集・第二集)という冊子の編集・刊行を手がける。

髣髴とする人柄
 実に多彩で地道な活動を繰り広げた著者のたたずまいは端正な文章に表れている。「私達戦争世代は、確かに戦時体制の被害者ですが、戦争を止めることも、戦争に反対することも出来なかったという意味では、やはり自分たちの戦争責任を考えずにはいられません。/体験者が戦争について語り、その記録を残すことは貴重なことです。しかし、なぜ悲惨な戦争が起こったのか、それを阻止するためには何が必要だったのかを私達ひとりひとりが問う事が大事重要なのだと思います。『平和への祈り』が『平和への努力』に向かうために、この冊子が一助になることを念願します」(「私の戦争体験」第一集編集委員代表「あとがき」)。「平和への祈り」にとどまらず「平和への努力」に一歩踏み出しているところに著者の静かな決意を感じると共に、たった今求められているのがまさにこのことだと痛感する。
 「冬は松や杉の木々を北風が音を立てて吹き抜ける。私は冬でも子どもたちと山へ行って松ぼっくりを拾い集めた。また葦の葉にかまきりの卵を探しまわった。そんなある日、誰のいたずらであろうか、刃物で木の皮がむかれていた。そこに北風がぶつかっているのを見た子どもたちは、『木が痛いだろうねえ、先生』といかにも悲しそうな表情をうかべる」(未明会編「道-私の戦後史」所収)。子どもたちの柔らかな感受性をそのまま受け止めている著者がいる。
 幼稚園に緘黙の子どもがいた。いろいろ働きかけても変化がない。「そこで園長と相談してT子の家族の許可を得、T子に納得させてT子を私の家へ連れて行き、寝食を共にする共同生活に入った。/T子は私の家から私と一緒に幼稚園に通うのである。私の家族も快く協力した」。やがてT子は著者や著者の家族と話すようになり「人一倍おしゃべりになった」「クラスの子どもたちも変わり、部屋にはまばゆいばかりに太陽がさしこんだ」、そしてT子は「しっかりした子どもとして幼稚園を卒業」小学校に入学する。著者の親身な姿は、また、高度成長前の「共和的な貧しさ」(関川夏央)の空気にも支えられていたように思う。
 ボランティアの有償化について冷静に検討する。83歳の一人暮らしの女性Kさんに時々食事を届けていた。「ところが、ある日、外出できないと思っていたKさんが腰を直角にして杖を片手に私の家にやってきました。日頃のお礼にと言って、お煎餅と飴を持ってきてくれたのです。ボランティアがKさんの負担にならないように私なりに気を遣っていたつもりでしたが、感謝の気持ちをどうしてもモノで表したいということでした。/私自身の反省を含めて言うのですが、受ける側の精神的負担は、これまでボランティアのあり方をめぐってあまり問題にされなかったような気がしてなりません」。二項対立的にではなく、懐深い考えで現実的に問題に迫る著者の姿勢がよく分かる。(上毛新聞社刊 1100円)  (新)


せんりゅう

    世界中あぶら漬けだったと知り

       トランプの一声死臭ただよう

    トランプ殿戦犯賞を差上たい

       サナエ風強い冷たい危うい

    特権富豪を押して押してサナエ

       反撃能力!野党にほしい

    もう一つの権力そこに九条が
 
                  ゝ  史

 2026年4月


複眼単眼

        戦火のもとにあるUAEからのメール

 突然、「憲法9条を壊すな!実行委」あてに「皆さんの行動を支持します」という件名のメールがUAE在住の女性から送られてきた。実行委員会のMLに流れてきたので、ぜひ紹介したい。

 初めまして。 私はUAE在住日本人です。
 アメリカとイスラエルによるイラン攻撃が始まってから、私たちも毎日イランからのミサイルとドローン攻撃を受けています。(略)
普通の暮らしの中に戦争が突然入り込んできたという感覚です。(略)
 日本の皆さんがデモをしている姿は大変心強く、1秒でも早くこの戦争が終わる事を願っています。
 日本では湾岸アラブ目線の報道はされていないように感じ、メール致しました。
湾岸アラブはイランへ反撃せず、自衛だけに徹しています。それは反撃すればアメリカとイスラエルの狙いに乗るだけで、この地域に混乱をもたらすと知っているからです。
 米軍に対し、領内からイランへの攻撃も許していません。(アメリカとイスラエルのニュースが、湾岸アラブが参戦するような話を書きますがフェイクです)
そんな中、何故日本が戦争に向かうような政治をしているのか。怖くて仕方がありません。
 戦争放棄をしている日本こそがイランとイスラエル、アメリカ、そして湾岸アラブを仲介出来る国だと思っていました。
 海の向こうからも、皆さんの行動に勇気を貰っている日本人が居る事を知って頂けたら幸いです。(Y)
 
 私はYさんへの御返事に、「日本の高市政権が、トランプ米国大統領の戦争政策に反対もせず、事実上、容認していることに怒りを感じています。
 日本政府は日米安保条約の第6条にすら反する在日米軍の中東派兵を容認しています。憲法を変えて、日本を戦争する国に変質させようとしています。
 いま、日本の広範な市民が全国で急速に反戦平和、平和憲法擁護の声をあげはじめています」などを書いた。

 事実、高市政権は事前協議もなしに在日米軍が中東に派兵されることに抗議すらせず、「移動だ」といいはっている。
 それどころか、先の日米首脳会談を前にこんな事件があったと永田町雀が騒いでいる。雑誌「選択」4月号によると、高市首相はホルムズ海峡への自衛隊派兵を本気で考えトランプに約束しようとしていたという。それを知った今井尚哉内閣参謀参与が、「あんた、何を考えているんだ。どうなるかわかっているだろうな」と激怒して、総理執務室に飛び込んだという。
 政府与党からの反発もあり、高市は今井に屈したが、「あいつに羽交い絞めにされた。許せない。切る」と激高しているという。首脳会談でトランプに「できることと、できないことがある」などと、憲法9条をたてにとって派兵を断ったなどと美化されていることの裏話がこれだ。いま高市がやるべきことは、「イランを石器時代にしてやる」などとうそぶく米国に加担することではなく、国際法に反する米国のイラン攻撃を止めることだ。
 高市にはUAEに住んでいるYさんの怒りがわからない。いま、全国でペンラを掲げて行動に立ち上がっている市民の怒りがわからない。      (T)

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